【犯罪心理】ジャン=クロード・ロマン事件 18年間「WHOの医師」を演じた男は、なぜ家族5人を殺したのか

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1993年1月、フランス東部の町プレヴサンで住宅火災が起きた。家の中には妻と二人の幼い子ども、そして意識を失った夫ジャン=クロード・ロマンがいた。助かったのはロマンだけだった。

ところが、妻と子どもは火事の前に殺されていた。さらに約80キロ離れた実家では、ロマンの両親も遺体で見つかった。捜査員が勤務先を確認するためWHOへ電話すると、事件はもう一つの異常な顔を見せる。「ジャン=クロード・ロマン」という職員は、どこにもいなかった。

彼は医師ではなかった。医学部も卒業していない。それでも家族や友人は、およそ18年間、彼を「ジュネーブのWHOで働く医師・研究者」だと信じていた。

この事件で最も不気味なのは、嘘の長さだけではない。正体が露見しかけたとき、ロマンが逃げるのでも告白するのでもなく、自分を信じていた家族を殺したことだ。しかも、金銭問題や経歴詐称を告発できた妻や両親だけでなく、幼い子どもまで手にかけている。

家族は、秘密を知る証人だったから消されたのか。それとも、偽りの自分を現実にしてくれる最後の観客だったから消されたのか。
Jean-Claude Romand
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